保険選びの相談室

「学資+外貨建て養老」セットで勧める保険会社の思惑

岩城みずほ・ファイナンシャルプランナー
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 会社員A美さん(29)は、会社員の夫(30)と、生まれたばかりの子供との3人暮らしです。世帯収入は夫婦2人で年約500万円。ともに奨学金を2万円ずつ月4万円返済しており、なかなか貯蓄できません。「子供の学資保険の選び方をアドバイスしてください」と、私のところに相談に来ました。

 子供の教育費をためる方法として、「学資保険」を挙げる人が多くいます。しかし現在は超低金利の影響で元本割れしてしまう保険もあり、最適とはいえません。ただ保険のセールスからは、学資保険に加えて外貨建て保険を勧められるケースが多く、私のところにはそうした相談も後が絶えません。保険会社のセールスの意図を考えてみます。

 A美さんはある生命保険会社のセールスマンから、円建ての「学資保険」と「ドル建て養老保険」の両方を持つことを勧められています。この会社の学資保険は、かろうじて元本割れしません。夫30歳、子供ゼロ歳の時点で契約し、子供の大学入学時が満期になる保険期間18年で満期金200万円と設定すれば、返戻率は約104%。平均年利回りは、0.21%です。

 返戻率は非常に低いと言わざるを得ません。セールスマンからは、学資保険の返戻率の低さをカバーするために、「ドル建て養老保険」を合わせて持つように勧められています。「日本は低金利です。高金利の外貨で運用すると円と外貨の金利差がある分、高いリターンを得られます」と説明されました。

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岩城みずほ

ファイナンシャルプランナー

CFP認定者、オフィスべネフィット代表、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、中立的な立場で顧客の利益を最大限にするコンサルティングを実践し、講演や執筆活動も行っている。著書に「人生にお金はいくら必要か」(共著、東洋経済新報社)、「やってはいけない!老後の資産運用」(ビジネス社)などがある。