スキル・キャリアミスを見逃さない校閲の技術

「トレイはトイレ!?」間違いに気づく校閲記者の嗅覚

毎日新聞校閲グループ

 校閲の仕事のなかで、こんなことがありました。

 「850万円をトレイに置き忘れた」というくだりが原稿に出てきました。

 最初に原稿を読んだ校閲記者が用語基準に従い「トレイ」を「トレー」に直そうとしました。ところが、小学生男子の心を失わない(?)50代の校閲記者がレとイのひっくり返った「トイレ」のことではないかと気づき、原稿を書いた筆者に確認のうえ、無事直すことができました。

 ここでの「用語基準」とは、「エイ」の音は「エー」と書くという、毎日新聞の外来語表記の原則に基づきま…

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毎日新聞校閲グループ

毎日新聞校閲グループ

毎日新聞は東京に40人余り、大阪に30人余りの校閲記者がいる。原則として広告などを除く全紙面について記事のチェックをしており、いわば新聞の「品質管理部門」。書籍などと比べてかなり短時間で仕事をこなさなければならないのがつらいところ。朝刊の校閲作業は深夜になるため生活は「夜型」である。