
ニューヨーク・都市再生の現場編(3)
ニューヨークのマンハッタン南東側対岸にあるブルックリン。伝統的に中低所得者層が住む下町だが、最近は新興富裕層向けのおしゃれな再開発も進み始めた。だがその裏にはニューヨークの家賃が高騰し、ブルックリンからさえも庶民が追い出され始めている現実がある。
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2017年10月、ボストンでの講演の際にニューヨークに立ち寄り、マンハッタンの「ハイライン」や「グラウンド・ゼロ」を歩いた筆者。その2カ月後の12月に、今度はニューヨークでの講演の機会があり、講演前の数時間だけ街を歩く余裕があった。
10月にも、この12月にも、現地の日本人から耳にしたのは「最近、ブルックリンがおしゃれだ」という話である。ブルックリンといえば、中低所得者層の住む下町だったはずだが、本当にそんなににぎわっているのだろうか。
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藻谷浩介
地域エコノミスト
1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。