「じょんから節」を収録した初代・高橋竹山のアルバム「魂の響き」=キングレコード提供
「じょんから節」を収録した初代・高橋竹山のアルバム「魂の響き」=キングレコード提供

社会・カルチャー切ない歌を探して

地吹雪にきく津軽三味線の名手・竹山「じょんから節」

森村潘 / ジャーナリスト

 冬の津軽平野をレンタカーで走ることになったとき、地元の人から「吹ぐから気をつけて」と言われた。「吹ぐ」とは地吹雪が舞うことを言う。実際、五所川原市あたりの平地を行くと、時折降る雪に加えて地上の雪が強風で視界を遮るほどに渦を巻くように舞っていた。

 これが吹ぐということなのだろうが、津軽三味線の名手、初代・高橋竹山(ちくざん、1910~98年)の音色をきくと、いつもこの地吹雪の光景が浮かんでくる。とくに「じょんから節」や「よされ節」といった、津軽三味線らしさがあらわれている曲は、「ビン、ビン」と、ばちにはじかれ響く弦の音のつらなりが、風に舞う雪景色と重なってくる。

 端正な力強さの一方、弦を押さえる方の指で弾いたり離したりして、小刻みに変化させる音が激しさと寂しさ…

この記事は有料記事です。

残り1672文字(全文2006文字)

森村潘

森村潘

ジャーナリスト

大手新聞、雑誌編集などを経てコミュニティー紙の編集などに携わる。ジャンルを超えて音楽を研究、アメリカ文化にも詳しい。