思い邪なし

思い邪なし90 企業の力を未来進行形で考える(三)

北康利 / 作家

第二章 京セラ設立

企業の力を未来進行形で考える(三)

 松下幸之助は、部下が持ってきた製品に、

 「これは重すぎる」

 と性能でなく重量でだめ出しをすることがあった。彼は知っていたのである。店頭で持って帰れる重さのもののほうが、配達が必要なものよりはるかに売れるということを。

 同じように稲盛は「色が違う!」というのでだめ出しをすることがあった(『敬天愛人』)。

 部下の持ってきた製品が、稲盛の頭に思い描いていたものと色が違うというわけである。稲盛には、製品開発…

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北康利

北康利

作家

1960年生まれ。東大法学部卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長などを経て、2008年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。著書に「白洲次郎 占領を背負った男」、「吉田茂 ポピュリズムに背を向けて」など。