思い邪なし

思い邪なし93 若手社員の反乱(三)

北康利 / 作家

第二章 京セラ設立

若手社員の反乱(三)

 稲盛は『「成功」と「失敗」の法則』の冒頭、試練こそ成功の鍵であるとして、次の言葉を掲げている。

 <試練を、絶好の成長の機会としてとらえることができる人、さらには、人生とは心を高めるために与えられた期間であり、魂を磨くための修養の場であると考えられる人--。そういう人こそが、限りある人生を、豊かで実りあるものとし、周囲にも素晴らしい幸福をもたらすことができるのです>

 十一名の反乱はまさに、“絶好の成長の機会”を稲盛に与えたのである。

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北康利

北康利

作家

1960年生まれ。東大法学部卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長などを経て、2008年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。著書に「白洲次郎 占領を背負った男」、「吉田茂 ポピュリズムに背を向けて」など。