
企業不正・同時多発の裏側(5)
12月28日に公表された三菱電線工業の品質検査データ不正の「中間調査報告」には、不正の概要を知った社長が「会社が破綻する」と思ったという衝撃の事実が書かれていた。この社長は不正公表後に辞任している。不正発覚の経緯から、親会社への報告までの経緯をたどってみよう。
親会社指示で行った監査で不正が判明
三菱電線の箕島製作所(和歌山県有田市)で手広く行われていた品質検査データの改ざんが社内監査にひっかかったのは、16年12月のことだった。その時期に親会社、三菱マテリアルの指示で三菱電線の監査室が品質監査を行った。
その監査で、「パッキン」と呼ばれるゴム素材のシール製品で、寸法の規格値を逸脱した製品が顧客の承認を得ずに「合格品」になり、検査データが改ざんされ出荷されていたことが確認された。
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