日産、神戸製鋼は何を間違えたのか

品質ごまかしは「現場の疲弊」か「経営者の無関心」か

今沢真・経済プレミア編集部
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製品の検査データ改ざんが発覚した三菱電線工業・箕島製作所(和歌山県有田市)=2017年11月23日、三村政司撮影
製品の検査データ改ざんが発覚した三菱電線工業・箕島製作所(和歌山県有田市)=2017年11月23日、三村政司撮影

企業不正・同時多発の裏側(7)

 三菱マテリアルの子会社である三菱電線工業の箕島製作所(和歌山県有田市)と、三菱伸銅の若松製作所(福島県会津若松市)では、規格から逸脱する製品を、さまざまな理由をつけて出荷していた。

 日本のものづくりは、現場で働く人たちが高い意識を持ち、創意と工夫を重ねて高品質の製品を効率よく作り上げる「現場力」に支えられていると言われてきた。ところが、報告書に描かれた2社の実態からは良質のものづくりをしようという意識は感じられない。きちんとした設備投資が行われず、高品質のものづくりをする技術が低下しているように見受けられる。これをどう解釈すればいいのだろうか。

 三菱電線と三菱伸銅の不正の調査報告書には、営業部、技術開発部、製造部、そして検査担当が登場する。営業部は顧客から製品を受注し、顧客の要求を技術開発部に伝える。技術開発部は製品の開発・設計を行い、製造部に生産を委ねる。製造部が生産し、出荷前に検査担当が検査すると規格に満たない製品が出てしまった。

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今沢真

経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀キャップ、財研キャップ、民間企業キャップを歴任。2013年論説委員。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。