思い邪なし

思い邪なし101 満を持しての社長就任(三)

北康利・作家
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第三章 世界を見据えて

満を持しての社長就任(三)

 開発の仕方にはメーカーの特色が出る。創業期のソニーやシャープはしばしば革命的商品を生み出したが、時代の先を走りすぎ、松下電器に出し抜かれることが多かった。

 「ソニーはモルモットでシャープは早まった電機。結局、“マネシタ”の一人勝ちやな」

 では京セラはどうであったのか? 彼らは顧客からのオーダーに基づいて試作品を作り、その上で現場の声を聞きながら改良を加え、満足してもらえるものに仕上げていった。ソニーが新商品を開発し、それを改良した松下電器の製品が売れていくという構図を一社で完結させたのだ。

 だから研究開発費も節約できる。京セラの研究開発費は昭和五十年代になっても売上対比一パーセントほどに…

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北康利

作家

1960年生まれ。東大法学部卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長などを経て、2008年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。著書に「白洲次郎 占領を背負った男」、「吉田茂 ポピュリズムに背を向けて」など。