思い邪なし

思い邪なし102 世界進出と株式上場(一)

北康利 / 作家

第三章 世界を見据えて

世界進出と株式上場(一)

 昭和四十三年(一九六八年)、初の海外駐在員をロサンゼルスに派遣し、米国駐在員事務所を開設すると、怒濤(どとう)の海外進出が始まった。

 翌年七月には現地法人京セラインターナショナル(KII)をカリフォルニア州の北にあるサニーベイル市に設立。そして大阪万博に沸く昭和四十五年(一九七〇年)、フェアチャイルド社からサンディエゴ工場売却を持ちかけられたことが本格的な米国進出につながる。

 サンディエゴ工場はフェアチャイルド社が約百万ドルの資金を投じた最新鋭の設備を持つ近代工場であったが…

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北康利

北康利

作家

1960年生まれ。東大法学部卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長などを経て、2008年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。著書に「白洲次郎 占領を背負った男」、「吉田茂 ポピュリズムに背を向けて」など。