
不動産業界では「この先、どこまで地価が上がるか読めない」とため息交じりに話す人が増えている。土地の落札価格が上がり続け、今後のマンション分譲価格がどうなるか、先行きが読めないというのである。
例えば2017年、東京23区内で山手線の外側の、豊島区、板橋区、北区などが属する城北エリアで落札された土地は、今後マンションにした時の分譲価格が3LDKで7000万円以上になるとみられている。その価格で分譲しないとペイしない水準で土地が取引されたからだ。
城北エリアは、これまでマンション価格が抑えられた場所。3LDKが駅に近い場所でも5000万円台まで。駅から歩いて10分以上であれば、3000万円台、4000万円台の3LDKがみつかる場所として人気が高かった。
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櫻井幸雄
住宅ジャーナリスト
1954年生まれ。年間200物件以上の物件取材を行い、首都圏だけでなく全国の住宅事情に精通する。現場取材に裏打ちされた正確な市況分析、わかりやすい解説、文章のおもしろさで定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞、日刊ゲンダイで連載コラムを持ち、週刊ダイヤモンドでも定期的に住宅記事を執筆。テレビ出演も多い。近著は「不動産の法則」(ダイヤモンド社)。