思い邪なし

思い邪なし103 世界進出と株式上場(二)

北康利 / 作家

第三章 世界を見据えて

世界進出と株式上場(二)

 稲盛はサンディエゴ工場再建のため、日本から長谷川桂祐(けいすけ)(後の専務)ら五名をマネージャーとして派遣していた。

 彼らは午前六時から真夜中まで休みなしに働いたが、それでも黒字にならない。意思の疎通も思うに任せない中、ストレスは極限に達している。稲盛が行くたび、コンパの席でぼろぼろ泣いた。

 (こんなに苦労かけるなら、いっそ連れて帰ろうか…)

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北康利

北康利

作家

1960年生まれ。東大法学部卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長などを経て、2008年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。著書に「白洲次郎 占領を背負った男」、「吉田茂 ポピュリズムに背を向けて」など。

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