思い邪なし

思い邪なし108 経営の神様の後継者(二)

北康利・作家
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経営の神様の後継者(二)

 大きく肥大した組織になればなるほど、ベンチャースピリットを維持することは難しい。これを防ぐため、稲盛は会社を小さな組織(アメーバ)に分割することを考えた。

 そうすれば疑似的に創業時に戻ることができ、幹部は経営者意識を持ち、リーダーシップを養うことができる。

 アメーバ経営が、松下幸之助の編み出した松下電器の勝利の方程式である事業部制と類似しているのは偶然ではない。経営者は得られるすべての情報を吸収し、プラスになると思ったものは取り入れるべきだ。経営理念や会社組織や働き方に特許などない。まして松下は経営の神様と呼ばれた人物だ。

 稲盛自身がまさにアメーバのように先人の教えを吸収し、取り込んでいったのである。

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北康利

作家

1960年生まれ。東大法学部卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長などを経て、2008年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。著書に「白洲次郎 占領を背負った男」、「吉田茂 ポピュリズムに背を向けて」など。