高齢化時代の相続税対策

80歳男性が家族で解決した長男への事業継承と相続

広田龍介・税理士
  • 文字
  • 印刷

 Iさん(80)は妻(83)、長女(58)、次女(54)、長男(51)の5人家族。若い時から苦労して事業を起こして成功し、大きな財を築いた。

 最近、奥さんが自宅で転んで足を骨折してから車いす生活となり、認知症も発症した。健康には自信があったIさんだが、自分もいつどうなるかと思い、相続対策の必要性を考えるようになった。

 自分の財産のたな卸しをして、相続税額はどのくらい計算されるのか、また、その納税資金の捻出はどうするのかなど、検討課題はたくさんあった。配偶者の税額軽減の適用の有無によっては、相続税の負担が2倍異なることになる。

 会社は無借金経営で、今は長男が後継者として社長を引き継いでいる。長男が事業承継するにあたり自社株式の評価額を計算してみると、財産全体の中で自社株式評価額の占める割合が50%で約20億円と非常に高いことがわかった。

この記事は有料記事です。

残り1053文字(全文1425文字)

広田龍介

税理士

1952年、福島県いわき市生まれ。85年税理士登録。東京・赤坂で広田龍介税理士事務所を開設。法人・個人の確定申告、相続税申告、不動産の有効活用などを中心に幅広くコンサルティング活動を続けている。相続税に関する講演やセミナーも開催している。