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「銀行vs郵貯100年戦争」が貯金限度額めぐり再燃

浪川攻・金融ジャーナリスト
2015年10月6日、中村琢磨撮影
2015年10月6日、中村琢磨撮影

 ゆうちょ銀行の貯金預け入れ限度額の撤廃問題をめぐり、銀行業界が激しく反発している。ゆうちょ銀行の親会社である日本郵政は、政府の郵政民営化委員会(岩田一政委員長)で撤廃を求めた。これに対し銀行側は、ゆうちょ銀行の完全民営化への道筋が示されておらず、公平な競争ができないと反対した。「国の信用をバックにして、ゆうちょ銀行の資金吸収力が強化される」と言うのである。

 日本郵政と傘下のゆうちょ銀行は2015年に東証に株式を上場した。現在、政府が保有する日本郵政の株式は56.9%だ。今後も株式売却が進められる方向だが、最終的に3分の1超を政府が保有することになっている。

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金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。