
甘みのあるトマトのコクと酸味のバランスがよく、とろりとした舌触りは飲みごたえ抜群だ。岩手県紫波(しわ)町の銀河農園がつくるトマトジュース「飲むトマト」(210グラム、540円税込み)は、添加物も調味料も水さえも一切加えず、トマトそのものの味が楽しめる。
大病を患ったことを機に農業ビジネスへ
「飲むトマト」について伝えるためには、まず原料となるトマトを紹介する必要がある。株式会社銀河農園は2004年に創業。代表取締役の橋本正成(まさなり)さん(66)は、もともと岩手県を中心に約30店舗のドラッグストアを経営していた。ある時、自身が大病を患ったことで健康と食の安全について考えるようになり、農業ビジネスへと転身した。
目をつけたのがトマトだった。トマトはビタミンCや抗酸化作用があるリコピンなどの栄養素が豊富だ。ビニールハウス内で年間を通じて土を使わず水と肥料だけで育てる水耕栽培ができ、安定した雇用を確保できることも決め手となった。現在はトマトをメインに農作物の生産、加工、販売を10人ほどの従業員とともに行う。
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小高朋子
旅食ライター・カメラマン
1982年、神奈川県生まれ。アパレル業界、映像製作会社を経て、フリーランスに。持続可能なモノづくりの可能性を求めて各地を巡り、地域の食文化、工芸品、産業などを取材し、写真、映像も用いてその魅力を紹介している。現在、農業者向けのビジネススクール(オンラインアグリビジネススクール)にかかわり、各地の農業現場の取材を担当。旅と、おいしい食べものと日本酒が何よりも好き。