藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

マケドニアの首都スコピエ「トルコ風」が残る街の今

藻谷浩介・地域エコノミスト
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スコピエ駅で発車を待つプリシュティナ行き列車。国際列車だが1両編成(写真は筆者撮影)
スコピエ駅で発車を待つプリシュティナ行き列車。国際列車だが1両編成(写真は筆者撮影)

 「六つの共和国、五つの民族、四つの言語、三つの宗教、二つの文字を持つ、一つの国家」と称しながら、1990年代初頭に解体した旧ユーゴスラビア社会主義連邦共和国。解体後もあまり名前を聞かないのが、最南端にあってギリシャと接する「マケドニア」だ。古代の征服者・アレクサンダー大王の帝国の名前が、いかなる経緯で現代世界に復活していて、しかもなぜそこが旧ユーゴなのか。首都スコピエを通過しながら観察した、それでもいろいろとよくわからない実態。

 ベオグラードから、エアセルビアの小型機で南下すること45分。今朝出たモンテネグロのポドゴリツァ空港と同じくらい小さくて、同じくいかにもODA(政府開発援助)で建てたようなターミナルの、スコピエ空港に着いた。

 ベオグラード便は、乗ってきた便を含めて1日2往復しかないのだが、1日8本しかない空港バスは接続していない。旧ユーゴ時代から相互の交流は乏しかったのだろう。ATM(現金自動受払機)でマケドニア・ディナールを下ろし、タクシーに乗る。

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。