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育休明け「降格で仕事そのまま」は違法でマタハラ

藤田結子・明治大商学部教授

 先日、自民党の衆院議員が「雇って1カ月で妊娠」とマタハラ発言をしたことが問題視されました。また、ある保育園では、保育士の「妊娠順」を園長が決めていることが議論を呼びました。このように、妊娠時だけでなく、「育休明け」でも、子育てを理由にした嫌がらせや不利益を受けるケースが後を絶ちません。

 新年度が始まり、育児休業明けの親たちも仕事に復帰しました。慣らし保育中の早いお迎えに駆けつけたり、初めての集団生活で風邪をもらった子どもが発熱し、保育園に呼び出されたりといった事態に直面していることでしょう。これから仕事と育児の両立という、大変な日々が始まったときに、嫌がらせや不利益に直面するのです。

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明治大商学部教授

東京都生まれ。慶応義塾大を卒業後、大学院留学のためアメリカとイギリスに約10年間滞在。06年に英ロンドン大学で博士号を取得。11年から明治大学商学部准教授、16年10月から現職。専門は社会学。参与観察やインタビューを行う「エスノグラフィー」という手法で、日本や海外の文化、メディア、若者、消費、ジェンダー分野のフィールド調査をしている。