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「まるで昭和!」セクハラ次官に若者は絶望した

藤田結子・明治大商学部教授
「セクハラ被害者バッシングを許さない!4.23緊急院内集会」に黒い服で参加した女性たち=衆院第1議員会館で2018年4月23日、中村かさね撮影
「セクハラ被害者バッシングを許さない!4.23緊急院内集会」に黒い服で参加した女性たち=衆院第1議員会館で2018年4月23日、中村かさね撮影

 女性記者へのセクハラ発言疑惑が週刊誌で報じられた福田淳一財務事務次官について、多くのニュースや議論が伝えられています。平成も30年がたった今、「偉そうな男たちは昭和の時代から相変わらず、女の気持ちを分かろうとしないんだ」と、その底抜けの鈍感さに「深すぎるため息」をついた女性も多いことでしょう。

 今回は、テレビ局の女性記者が、取材相手である財務省の事務方トップに取材をするという状況でセクハラが起きました。これは特殊な世界の話で、自分に関係ないと思っていませんか。実は営業職、接客業、看護師、介護士など、「話を聞く」ことが仕事の一部の人には、誰でも起こり得るハラスメントです。

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明治大商学部教授

東京都生まれ。慶応義塾大を卒業後、大学院留学のためアメリカとイギリスに約10年間滞在。06年に英ロンドン大学で博士号を取得。11年から明治大学商学部准教授、16年10月から現職。専門は社会学。参与観察やインタビューを行う「エスノグラフィー」という手法で、日本や海外の文化、メディア、若者、消費、ジェンダー分野のフィールド調査をしている。