キャリアを築くヒント

なぜ優秀なエンジニアが“下働き”ばかりをしたのか

細川義洋・ITコンサルタント
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 「キャリア」という言葉には「積み重ねた経験や経歴」という意味があり、それらを生かして自らが満足できるビジネスライフや人生を過ごしていくことが重要です。しかし、せっかくさまざまな経験と、経験からの深い知識を持ちながら、職場で生かしきれずにやる気まで下げてしまう人もいます。私の後輩にもそうした人がいました。

 彼はITエンジニアで、長年、金融機関向けのシステム開発を担当していました。当然、システム開発に関する高度な知識と経験を持っています。これまで絶対にミスの許されない状況で大規模で複雑なシステムを作ってきました。

 そんな彼がある期間、通常の持ち場を離れて、私がプロジェクトリーダーを務めるチームに参加しました。経験豊富な彼の管理能力などに大いに期待しました。ところが彼は他のメンバーを指導したり、間違ったやり方を直したりせず、逆に周囲のメンバーに言われたことを手伝うばかり。いわば下働きです。当然ですが、その姿にはやる気は見られませんでした。

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細川義洋

ITコンサルタント

1964年、神奈川県生まれ、立教大学経済学部経済学科卒。NECソフト(現NECソリューションイノベータ)、日本IBMでシステム開発やコンサルティングを行う。著書に「なぜ、システム開発は必ずモメるのか?」「IT専門調停委員が教える モメないプロジェクト管理77の鉄則」(日本実業出版社)などがある。