海外特派員リポート

アンデスの「リチウム塩湖」に中国が触手を伸ばす理由

清水憲司・毎日新聞経済部記者(前ワシントン特派員)
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アンデス山中にある巨大塩湖=アルゼンチン北部フフイで2018年3月、清水憲司撮影
アンデス山中にある巨大塩湖=アルゼンチン北部フフイで2018年3月、清水憲司撮影

リチウム・トライアングル(2)

 アンデス山脈の「リチウム・トライアングル」で繰り広げられるリチウム争奪戦の主役は、電気自動車(EV)シフトと資源確保を国家主導で進める中国だ。雇用創出に向け、リチウム生産からリチウムイオン電池開発へと産業の高度化を目指す地元の思いも複雑に絡み合う。

リチウム埋蔵量世界有数のアルゼンチン

 アルゼンチンはリチウム埋蔵量で世界有数とされ、経済再建を目指すマクリ政権は積極的な外資誘致を進める。20世紀が「石油の世紀」と呼ばれたのになぞらえ、21世紀は「アルゼンチンが次のサウジアラビアになる」との声もある。

 首都ブエノスアイレスにあるメイラン鉱業長官のオフィスを訪ねると、各国の鉱山会社から届いた提案書の中…

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清水憲司

毎日新聞経済部記者(前ワシントン特派員)

 1975年、宮城県生まれ。高校時代まで長野県で過ごし、東京大学文学部を卒業後、99年毎日新聞社に入社。前橋支局を経て、東京経済部で流通・商社、金融庁、財務省、日銀、エネルギー・東京電力などを担当した。2014~18年には北米総局(ワシントン)で、米国経済や企業動向のほか、通商問題などオバマ、トランプ両政権の経済政策を取材した。