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「急上昇」は本当? 中古マンション市場を深読みする

櫻井幸雄・住宅ジャーナリスト

 不動産情報大手のアットホームが発表した首都圏の中古マンション成約価格が注目を集めている。2018年3月で1戸あたり平均価格が初めて3000万円を超え「中古マンション価格の上昇」を示したからだ。

「暴落」から一転「急上昇」説も

 18年は年初から不動産価格の上昇を示す調査の発表が続いている。

 1月には不動産経済研究所が、17年に首都圏で販売された新築マンションの平均価格が5908万円とバブル期以来の高水準となったと発表。3月発表の公示地価は全国(全用途)で0.7%のプラスと3年連続で上昇した。

 そして今回は中古マンション価格の上昇である。不動産の「暴落」が間近と信じていた人たちはさぞ戸惑っていることだろう。

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住宅ジャーナリスト

1954年生まれ。年間200物件以上の物件取材を行い、首都圏だけでなく全国の住宅事情に精通する。現場取材に裏打ちされた正確な市況分析、わかりやすい解説、文章のおもしろさで定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞、日刊ゲンダイで連載コラムを持ち、週刊ダイヤモンドでも定期的に住宅記事を執筆。テレビ出演も多い。近著は「不動産の法則」(ダイヤモンド社)。