
世界の貿易の9割は海運に頼っている。海に囲まれた日本の場合、日本船主協会によると、その割合は99.7%に及ぶ。
経済の大動脈たる海運にとっての主なリスクは、天候や海賊・海上武装強盗による被害であった。だが、この数年にわたり増大している脅威はサイバー攻撃である。
海運業界は、船舶・機器システムの自動化、船舶の制御システム、航海データや気象データのデジタル化などIT化が進んでいる。それは裏を返せば、サイバー攻撃者からの脅威にさらされやすくなったことを意味している。
しかし、船舶の使用年数は長く、場合によっては25年以上の船齢のものが使われていることもある。サイバー攻撃のリスクがそれほど認識されていなかった頃から徐々にIT化が進行していったため、必ずしもサイバーセキュリティー対策が取られているわけではない。
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