船で渡ったデボンポートのビクトリアの丘からオークランド都心を遠望する。さわやかな秋晴れ(写真は筆者撮影)
船で渡ったデボンポートのビクトリアの丘からオークランド都心を遠望する。さわやかな秋晴れ(写真は筆者撮影)

グローバル藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

オークランドで考えたNZが“先進国”を維持する努力

藻谷浩介 / 地域エコノミスト

ニュージーランド編(3)

 11時間かけて列車で縦断してみたニュージーランド北島は、端から端まで羊と牛の自然放牧にささげ尽くしたような、うねうねと丘と牧草地の続く大地だった。人口は希薄で、沿線に町らしい町は見当たらなかったが、最後にようやく着いた、最大都市オークランドの実力はいかなるものか?

実は起伏が多い街オークランドの秘密

 2015年5月中旬の火曜日夜7時。筆者はオークランド都心北端の、ブリトマート駅に降り立った。線路はここで行き止まりだが、通勤電車4路線が発着し、設備は真新しい。しかし、極小の需要しかない世界地図の南東の端の国で、この近代設備を輸入し維持することには、多くの苦労が伴っていることだろう。膨大な内需を持ち、車両も自動改札も機械類もすべて国内製でまかなえている日本は、同じ島国でもなんと恵まれていることか。

 外に上がってみると日はとっぷり暮れ、日本より早い夕方の通勤時間も終わり、静かなビル街が広がっていた…

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藻谷浩介

藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外95カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。

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