グーグルペイがスイカやワオンに対応。アンドロイド5.0以上でおサイフケータイ対応端末が必要
グーグルペイがスイカやワオンに対応。アンドロイド5.0以上でおサイフケータイ対応端末が必要

IT・テクノロジー知ってトクするモバイルライフ

アンドロイドスマホ「グーグルペイ」の使い勝手を試す

石野純也 / ケータイジャーナリスト

 グーグルは、アンドロイド用の決済プラットフォーム「グーグルペイ」に、JR東日本の電子マネー・スイカや、イオングループの電子マネー・ワオンを対応させた。おサイフケータイに対応し、フェリカを内蔵するアンドロイド内蔵のスマホで、これらを利用できる。

 グーグルペイには、すでに楽天エディや、セブン&アイグループのナナコが対応しており、今回の追加で使える電子マネーは4種類になった。グーグルによると、今後は非接触ICを使ったクレジットカードサービスの「クイックペイ」もグーグルペイに対応する予定で、JCBやジャックスなどのカード、個人間送金アプリの「キャッシュ」といったサービスも対応する。

いろいろな支払いをまとめて管理

 新サービスのように聞こえるグーグルペイだが、フェリカを搭載したアンドロイドでは、すでにおサイフケータイが利用できていた。そのため、スイカやワオンも、アプリさえダウンロードすれば、おサイフケータイ上で利用ができていた。その意味では、アンドロイド搭載のスマホで支払いの手段が増えるわけではない。

 グーグルペイは、こうした電子マネーを束ねる「ウォレット(財布)」サービスという位置づけで、いろいろな支払いを管理しやすくするものと考えた方が理解しやすい。iPhone上で複数の電子マネーやクレジットカードをまとめて管理できるサービスが、「アップルペイ」と呼ばれるのと同じだ。

 フェリカを使った決済自体は以前からできたが、スマホ上でこれらの電子マネーを新規発行しやすくなっているのは特徴といえる。たとえば、スイカを登録する際には、グーグルに登録してある住所やメールアドレスなどが利用されるため、利用者はパスワードを決めるだけでよい。グーグルペイは、アンドロイドに最初から入っているアプリで、アプリを別途ダウンロードする必要もない。

グーグルペイ上に登録してある名前や住所が使われるためスイカの新規発行が簡単
グーグルペイ上に登録してある名前や住所が使われるためスイカの新規発行が簡単

チャージ機能が簡単に

 利用開始後に、バリューと呼ばれる電子マネーをチャージするのも簡単になった。これまでのスイカは、アプリから会員登録して、クレジットカードを登録する必要があった。しかも、JRグループのビューカード以外を登録すると、1030円の年会費もかかっていた。

チャージもグーグルペイでできる。あらかじめ登録してあったクレジットカードが使えて、年会費もかからない
チャージもグーグルペイでできる。あらかじめ登録してあったクレジットカードが使えて、年会費もかからない

 これがグーグルペイを使えば、グーグルに登録してあるクレジットカードでチャージができ、しかも年会費はかからない。すでに使っている利用者が年会費を節約できるのはもちろんだが、スマホでのスイカに二の足を踏んでいた人の背中を、後押しするようなサービスといえる。

 国内のアンドロイドスマホは、多くがおサイフケータイに対応しているが、利用率は全体の2割程度といわれていた。裏を返せば、8割程度のおサイフケータイ保有者は、搭載されている機能を使っていないことになる。アプリをダウンロードして、電子マネーごとに利用者登録したり、スイカのように、クレジットカードでのチャージに年会費がかかっていたりと、メリット以上に始めるまでのハードルが高かったことが理由の一つで、こうしたハードルを低くするのが、グーグルペイの役割といえそうだ。

外国人が日本で使うにはちょっと不便

 ただ、おサイフケータイやアップルペイでの利用者数が多い、非接触型クレジットカードサービスのiDは未対応で、クイックペイのように対応予定も発表されていない。iD自体はフェリカを搭載したアンドロイドに対応しているため、利用はできるが、グーグルペイで管理できないと、煩雑さが増してしまう。

 また、ハードとソフトを一手に手がけるアップルは、海外で売られるiPhoneにもまとめてフェリカを搭載し、スイカに対応させたが、アンドロイドペイのスイカは現時点で国内端末のみの対応になる。アンドロイドはさまざまなメーカーが端末を作っているため、日本や香港など、一部の国や地域でしか使えないフェリカを、海外メーカーがサポートする可能性は低い。

 そのため、訪日外国人が自分の端末にスイカを入れ、日本で使うということが現時点ではできない。グーグルペイが真の意味で「お財布」になるには、もう少し時間がかかりそうだ。

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石野純也

石野純也

ケータイジャーナリスト

1978年、静岡県生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒。2001年、宝島社に入社。当時急速に利用者数を伸ばしていた携帯電話関連のムック編集に携わる。05年には独立してフリーランスのジャーナリスト/ライターに転身。通信事業者、携帯電話メーカー、コンテンツプロバイダーなどを取材、幅広い媒体に原稿を執筆する。業界動向を記したビジネス書から、端末の解説書まで著書も多い。

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