
日本大学のアメリカンフットボール部の選手が、試合中に相手の関西学院大の選手に対して、悪質なタックルをしてケガをさせた問題は、組織と権力者の自己保身という醜い面をみせつけられました。それと同時に、組織に属する一個人が、組織の不正に対してどう正義をまっとうできるかという問題について考えさせられました。
意図的で危険な反則行為が行われ、関西学院大の選手はケガをしました。一歩間違えれば、選手生命どころかその後の人生をも狂わせかねない危険な行為でした。ルールと公正さが何より大事であるスポーツの世界で、それも大学という教育現場で起きただけに事は深刻です。
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川井龍介
ジャーナリスト
1980年慶応大学法学部卒。新聞記者などを経てフリーのジャーナリスト、ノンフィクションライター。実用的な文章技術を説いた「伝えるための教科書」(岩波ジュニア新書)をはじめ「大和コロニー~フロリダに『日本』を残した男たち」(旬報社)、「フリーランスで生きるということ」(ちくまプリマ―新書)を2015年に出版。このほか「ノーノー・ボーイ」(ジョン・オカダ著、旬報社)の翻訳をてがける。