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「手作り=愛情」は呪い 日本の家事レベル下げよう

藤田結子・明治大商学部教授
「伝説の家政婦」タサン志麻さんが作った料理の数々=東京都中央区で中村かさね撮影
「伝説の家政婦」タサン志麻さんが作った料理の数々=東京都中央区で中村かさね撮影

 最近、“伝説”の家政婦、タサン志麻さんがメディアで話題になっています。フランスの三つ星レストランで修業し、人気フレンチレストランの料理人として15年のキャリアを持つそうです。指名のあった家庭に出向き、3時間7800円の料金で、あり合わせの食材から10品以上の料理を作り置きするサービスを提供しています。

 このようなサービスで他の家事代行者が受け取る時給相場は1200~2100円だそうです。最高時給の2100円なら3時間6300円。みなさんは、志麻さんの仕事に対する賃金として適切だと思いますか、それとも低すぎると思いますか。

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明治大商学部教授

東京都生まれ。慶応義塾大を卒業後、大学院留学のためアメリカとイギリスに約10年間滞在。06年に英ロンドン大学で博士号を取得。11年から明治大学商学部准教授、16年10月から現職。専門は社会学。参与観察やインタビューを行う「エスノグラフィー」という手法で、日本や海外の文化、メディア、若者、消費、ジェンダー分野のフィールド調査をしている。