今年3月22日、米南部の州都が身代金要求型ウイルス(ランサムウエア)を使ったサイバー攻撃を受けた。この市は複数の行政サービスアプリが使用不能になったと発表した。

 この市の13の部署のうち、五つの部署の行政サービスが打撃を受けた。直撃を受けた行政サービスは、各種料金支払いシステム、警察の記録システム、裁判所の情報システム、インフラのメンテナンス要請処理システムなどである。住民は、数日間にわたり水道料金の支払いができなくなった。

 攻撃者は、ウイルスに感染し、暗号化されてしまったコンピューター1台あたりの復旧に0.8ビットコイン…

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松原実穂子

松原実穂子

NTTチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジスト

早稲田大学卒業後、防衛省で9年間勤務。フルブライト奨学金により米ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院で修士号取得。その後、米シンクタンク、パシフィックフォーラムCSIS(現パシフィックフォーラム)研究員などを経て現職。国内外で政府、シンクタンクとの意見交換やブログ、カンファレンスを通じた情報発信と提言に取り組む。