
狙われるメディア(1)
政治、経済、安全保障など日々のニュースを知るために欠かせないマスコミも、サイバー攻撃の対象となっており、時には業務継続に支障が出ることもある。
2015年4月8日午後10時ごろ、フランスの国際放送局がイスラム過激派組織を名乗るグループからの大規模なサイバー攻撃を受け、系列の11局で放送ができなくなった。また、ウェブサイトやソーシャルメディアのアカウントも攻撃にあい、この過激派組織のロゴやメッセージが掲載された。メールも使えなくなった。
この放送局は、世界200以上の国と地域で放送しており、視聴世帯数は世界で2億5700万世帯に上っていた。
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松原実穂子
NTTチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジスト
早稲田大学卒業後、防衛省で9年間勤務。フルブライト奨学金により米ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院で修士号取得。その後、米シンクタンク、パシフィックフォーラムCSIS(現パシフィックフォーラム)研究員などを経て現職。国内外で政府、シンクタンクとの意見交換やブログ、カンファレンスを通じた情報発信と提言に取り組む。