
中興通訊(ZTE)。日本ではあまり知られていない中国のスマートフォンメーカーが、米国と中国の争いの種になっている。
騒動の発端は今年4月、米商務省がZTEに制裁を科したことだ。ZTEは米国が禁輸措置をとっている北朝鮮やイランに長年、通信機器を輸出したうえ、米当局による業務改善調査にもウソをついたと認定され、米企業との取引を7年間、禁止された。
ZTEは主力製品に使う半導体チップなどの基幹部品の多くを米国製に依存している。制裁で同社は操業停止に追い込まれ、「会社の存続が重大な危機にさらされている」と緊急声明で訴えた。
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赤間清広
毎日新聞経済部記者
1974年、仙台市生まれ。宮城県の地元紙記者を経て2004年に毎日新聞社に入社。気仙沼通信部、仙台支局を経て06年から東京本社経済部。16年4月に中国総局(北京)特派員となり、20年秋に帰国。現在は霞が関を拠点に、面白い経済ニュースを発掘中。新著に「中国 異形のハイテク国家」(毎日新聞出版)