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元本確保型に偏り 資産増えない確定拠出年金のワナ

渡辺精一・経済プレミア編集部

確定拠出年金(2)

 老後資金のための公的年金に上乗せする確定拠出年金(DC)。だが、その半分以上は金利ゼロに近い定期預金など元本確保型に偏り、資産がほとんど増えていない。運用商品の選び方に問題があるとされ、5月の制度改正ではそのルールを一部見直したが、抜本的な解決にはなお遠い。

運用格差が広がっている

 確定拠出年金は、加入者が運用商品のラインアップから、掛け金を投じる商品を選び、運用成果に基づく給付を受ける「自己責任型」の制度だ。

 しかし、加入者が運用指図をせず掛け金を何に投じるのか決まらないケースがあるため、多くの企業は規約で便宜上の受け皿となる「デフォルト(初期設定)商品」を決めている。こうした企業で運用指図しない人は15%いる。

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経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。