東芝問題リポート

東芝が7000億円の自社株買いを決断した理由

編集部
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入社式を終えて退室する東芝の車谷暢昭会長(右)ら経営幹部=2018年4月2日、和田大典撮影
入社式を終えて退室する東芝の車谷暢昭会長(右)ら経営幹部=2018年4月2日、和田大典撮影

 東芝は6月13日、「株主還元の方針に関するお知らせ」と題するリリースを出し、7000億円程度の自社株買いを「可能な限り早く行う」と発表した。「自社株買い」は、手持ち資金で自社が発行した株式を自ら購入することだ。市場に出回る株式が減り、株価上昇が期待される。普通はもうかっている会社が行う「株主還元策」だ。では、ついこの間まで債務超過でお金がなかった東芝が、なぜ多額のお金を使って株主還元するのか。

 東芝は、米原発破綻で陥った債務超過の解消が最大の課題だった。今年3月末までに債務超過を解消しないと上場廃止となり、さらに厳しい状況に追い込まれるからだ。このため、昨年、二つの資本増強策を講じた。半導体メモリー事業の売却と、6000億円の増資だ。

 半導体メモリー事業は米投資ファンド、ベインキャピタルを中心とする日米韓連合への売却が決まった。ただし、各国当局の承認に時間がかかって3月末には間に合わず、正式に売却を終えたのは6月1日だった。時間はかかったが、東芝は売却益9700億円を手にした。

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長く経済分野を取材してきた川口雅浩・毎日新聞経済部前編集委員を編集長に、ベテラン・若手編集者が経済・社会の最新情勢を追います。
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