サイバー攻撃の脅威

「中国首相親族の蓄財疑惑」報道前の米新聞社が標的に

松原実穂子・NTTチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジスト
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狙われるメディア(2)

 日々のニュースや世相をえぐるスクープを追うマスコミにとって、得られた情報はかけがえのない宝である。それを狙うサイバー攻撃者たちもいるのだ。情報源を探ろうとする者もいれば、身代金要求型ウイルス(ランサムウエア)でデータと引き換えに金銭を求める者もいる。

ハッキングを予想していた新聞社

 2013年1月、米大手新聞社は、社内のネットワークが過去4カ月間にわたり中国のハッカーたちから侵入されていたことを発表した。ハッキングされたのは、ちょうど、中国の温家宝首相(当時)の親族が数十億ドル(数千億円)もの蓄財をしているとの疑惑について同新聞社が調査中で、その記事を出す直前であった。

 幸い、新聞社側はハッキングを予想し、既に対策をしていた。外部のIT企業の助けを借りて、自社内のコン…

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松原実穂子

NTTチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジスト

早稲田大学卒業後、防衛省で9年間勤務。フルブライト奨学金により米ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院で修士号取得。その後、米シンクタンク、パシフィックフォーラムCSIS(現パシフィックフォーラム)研究員などを経て現職。国内外で政府、シンクタンクとの意見交換やブログ、カンファレンスを通じた情報発信と提言に取り組む。