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他社の成功事例をありがたがる「残念な職場」の末路

編集部
「残念な職場」の著者・河合薫さん=2018年5月29日、藤井太郎撮影
「残念な職場」の著者・河合薫さん=2018年5月29日、藤井太郎撮影

「残念な職場」著者・河合薫さんに聞く(3)

 今は人々が本来の働き方ができていないのではないか──「残念な職場」の著者で、健康社会学を研究する河合薫さんは疑問を呈する。インタビュー3回目は、その真意を聞いた。【経済プレミア編集部・田中学】

問題の全てを解決する「魔法のつえ」はない

 ──前回、「今は本来の働き方ができていないのではないか」と言っていました。

 ◆河合薫さん 単純に言うと、経営の観点から「人が単なるコスト(費用)」と捉えられるようになっていますよね。例えば、日本企業が、米国のカリスマ経営者といわれるような人の手法を見習ったり、成果主義を取り入れたりしています。従業員一人一人が生き生きと働いているかは関係ない。数字だけで判断しているんです。

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長く経済分野を取材してきた川口雅浩・毎日新聞経済部前編集委員を編集長に、ベテラン・若手編集者が経済・社会の最新情勢を追います。
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