藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

豪ダーウィン 人口爆発アジアに近い立地生かせない町

藻谷浩介・地域エコノミスト
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ダーウィン市街北西部のマリーナに沈む壮絶な夕日(写真は筆者撮影)
ダーウィン市街北西部のマリーナに沈む壮絶な夕日(写真は筆者撮影)

 広大なオーストラリアの中でも最も人口希薄な北部準州(ノーザンテリトリー)。州都ダーウィンは、世界4位の人口大国・インドネシアと、ティモール海を挟んで正対する。この北部準州の面積は、スマトラ島を除いたインドネシアとほぼ同じだが、人口はこちらが24万人なのに対して向こうは2億人超。この巨大な落差の縁にある当市は、国全体のゲートウエーとして発展しているのだろうか。東ティモール訪問の途中に1泊して知ったその実状と、日本との因縁。

 シンガポールから深夜便で4時間半。ダーウィン空港から一歩外に出ると、5月初旬(南半球なので秋)の早朝5時過ぎながら、暑気の迎えにあった。南緯12度の当地は、北半球ではバンコクに相当する熱帯地域なのだ。

 市内行きの始発のシャトルバスまで空港で時間をつぶし、市街地南端のホテルに着いたのが6時半。国によってはこの時間から部屋に入れてくれることもあるのだが、ここは日本同様に融通が利かず、14時まで待てとのこと。中庭にあるプールサイドのデッキチェアで仮眠させてもらうが、9時過ぎには日差しがどうにも暑くなって起き出した。

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。