サイバー攻撃の脅威

「動機は不明」デンマークで攻撃された自転車シェア

松原実穂子・NTTチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジスト
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 デンマークの首都コペンハーゲンは、自転車都市としても知られ、人口よりも自転車の数の方が多い。市が1995年に市民と観光客向けに自転車レンタルサービスを始め、自転車専用道路が市内に広がる。

 その後、自転車シェアリングは新しい交通手段として、米国、オーストラリア、インドなど世界各地で広まった。あちこちに設けられた自転車の無人レンタル場(ポート)で自転車を借りて、返せる仕組みだ。二酸化炭素(CO2)の排出削減、健康増進、小回りの利く交通手段として注目され、日本でも、複数の会社が自転車のシェアリング市場に参入している。

 2018年5月4日から5日にかけて、コペンハーゲンの自転車シェアリング会社がサイバー攻撃を受けた。攻撃によりこの会社のデータベースが削除され、自転車1860台のうち1660台が使えなくなってしまった。

 この会社の自転車のハンドル中央部分には、GPSが搭載されたタブレットが付いており、顧客は自分の携帯電話のアプリから近くにある自転車を予約できるようになっていた。この会社の社員は街に出て自転車を探し、1台ずつ手作業でタブレットを再起動、更新する作業に奔走した。

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松原実穂子

NTTチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジスト

早稲田大学卒業後、防衛省で9年間勤務。フルブライト奨学金により米ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院で修士号取得。その後、米シンクタンク、パシフィックフォーラムCSIS(現パシフィックフォーラム)研究員などを経て現職。国内外で政府、シンクタンクとの意見交換やブログ、カンファレンスを通じた情報発信と提言に取り組む。