海外特派員リポート

ペソ急落で高インフレに直面 アルゼンチンの現実

清水憲司・毎日新聞経済部記者(前ワシントン特派員)
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急激なインフレと金利上昇で来客がほとんどいない中古車販売店=ブエノスアイレスで2018年7月17日、清水憲司撮影
急激なインフレと金利上昇で来客がほとんどいない中古車販売店=ブエノスアイレスで2018年7月17日、清水憲司撮影

アルゼンチン通貨危機(1)

 アルゼンチンが経済的な苦境を深めている。米国の利上げを引き金に今年4月下旬以降、通貨ペソの為替相場が急落する通貨危機に陥った。海外からの資金引き上げが急激に進み、もともと弱い経済を直撃した。

 5月の物価上昇率は年率26%にはね上がり、労働者の所得は実質的に大きく減少。お金を借りようとしてもクレジットカードのローン金利は50%を超え、借金もできない。多くの人々は生活水準を落とさざるを得なくなった。

 アルゼンチン政府は今年末の不況脱却を目指すものの、通貨危機の背景にある先進国発の「緩和マネー」が縮…

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清水憲司

毎日新聞経済部記者(前ワシントン特派員)

 1975年、宮城県生まれ。高校時代まで長野県で過ごし、東京大学文学部を卒業後、99年毎日新聞社に入社。前橋支局を経て、東京経済部で流通・商社、金融庁、財務省、日銀、エネルギー・東京電力などを担当した。2014~18年には北米総局(ワシントン)で、米国経済や企業動向のほか、通商問題などオバマ、トランプ両政権の経済政策を取材した。