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東京・銀座で「着物と柳」の伝統を継ぐ呉服店の奮闘

櫻田弘文・クエストリー代表取締役
東京・銀座の泰明小学校で毎年実施されている「銀座の柳染め課外授業」=筆者提供
東京・銀座の泰明小学校で毎年実施されている「銀座の柳染め課外授業」=筆者提供

 呉服店の「銀座もとじ」は、東京・銀座で3店舗の和装専門店を展開する。日本全国の織りや染めに特徴のある着物と帯や、泉二弘明(もとじ・こうめい)社長(68)の出身地である鹿児島県奄美大島伝統の大島紬(つむぎ)を扱い、34人の従業員で運営している。

 同社は、泉二社長が呉服問屋での修業を経て、1979年に銀座の貸事務所で「もとじ呉服店」を創業したのがはじまりだ。当時の泉二社長は銀座で、通りに面した店を出すことが目標で、88年に銀座2丁目で念願の出店を果たした。93年には同1丁目の柳通り沿いの店舗に移転。その後、男性用着物の専門店で成功するなどし、銀座もとじには現在「和織(わおり)・和染(わせん)」「男のきもの」「大島紬」の3店舗がある。

 そして同社は、銀座の柳を生かした商品や、柳の歴史と文化を伝えるための地域活動にも力を入れている。今回は、この地域活動をくわしく紹介する。

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クエストリー代表取締役

1955年山梨県生まれ。日本大学卒業後、78年に販売促進の企画・制作会社に入社。2001年、クエストリーを設立して独立。中小企業経営者向けの「クエストリー・ブランディングクラブ」を主宰する他、数多くの専門店や飲食店のブランディングを実践的に指導している。