藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

アンマン「丘の街」を歩いて感じたこの地の寛容さ

藻谷浩介・地域エコノミスト
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シュワルマの店で近所の姉弟にカメラを向けたら満面の笑顔でポーズをしてくれた(写真は筆者撮影)
シュワルマの店で近所の姉弟にカメラを向けたら満面の笑顔でポーズをしてくれた(写真は筆者撮影)

 「中東で最も旅行しやすい国」とガイドブックに書かれるヨルダン。首都アンマンでは、聞いた通り広大な範囲に散らばる19の丘の上にそれぞれ、象牙色の建物が林立していた。車社会化の後に、寒村から大都市へと急成長したゆえの特殊な都市景観なのだが、こんな変わった形状の都市の上では、どんな生活が営まれているのか?

 タクシーで着いた今晩の宿は、高級住宅街のゲストハウスだった。隣はイタリア大使館で、この宿も大使館関係者だと思われるイタリア人が、立派な自宅の2~4階で営んでいるものだった。

 アンマンは乾燥地帯にあるが、夏と冬には大きな気温差がある。標高700メートルと日本でいえば長野県のJR信濃大町駅くらいで、朝晩は東京より冷え、昼は東京より暑い。3月初めの今日は、快適な気温で抜けるような晴天だった。

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外109カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。