サイバー攻撃の脅威

独製鉄所の溶鉱炉破損 標的型メールが突いた人の弱点

松原実穂子・NTTチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジスト
  • 文字
  • 印刷

 2014年12月にドイツ政府機関の連邦電子情報保安局が発表した年次リポートによると、ドイツの製鉄所がサイバー攻撃を受け、溶鉱炉が大きく破損した。このリポートでは、どの製鉄所がいつ攻撃されたのか、攻撃者は誰か、攻撃者の動機が何であったかは明らかにされなかった。

 リポートによると、攻撃者は、まず製鉄所の製造担当者たちに「標的型メール」を送りつけ、社内のITネットワーク、さらに制御系のネットワークへの侵入に成功した。そして、制御システムの複数の部品が故障していき、溶鉱炉を停止できなくなり、最終的に溶鉱炉を大きく破損させた。攻撃者は、製鉄所のサイバーセキュリティー対策だけでなく、制御システムなど内部情報をかなり把握していたようである。

この記事は有料記事です。

残り1052文字(全文1370文字)

   

ご登録日から1カ月間は100円

いますぐ登録して続きを読む

または

登録済みの方はこちら

松原実穂子

NTTチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジスト

早稲田大学卒業後、防衛省で9年間勤務。フルブライト奨学金により米ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院で修士号取得。その後、米シンクタンク、パシフィックフォーラムCSIS(現パシフィックフォーラム)研究員などを経て現職。国内外で政府、シンクタンクとの意見交換やブログ、カンファレンスを通じた情報発信と提言に取り組む。