グローバル世界透視術

中国・一帯一路の猛威 南の島に“人民元”の雨が降る

金子秀敏 / 毎日新聞客員編集委員

 先日亡くなった俳優・津川雅彦氏の叔父にあたる俳優の故・加東大介氏の戦争体験をもとに「南の島に雪が降る」という映画やテレビドラマが作られたのは1960年代のことだった。

 加東氏は戦時中、召集されて赤道直下、ニューギニアのマノクワリに駐屯する日本軍部隊で下士官をつとめた。食糧欠乏とマラリアに苦しむ兵士たち。司令官から慰問の演芸大会を命じられた加東軍曹は、密林の中で芝居の舞台を設営し、北国出身の兵士のために紙吹雪で雪を盛大に降らせた──そんなストーリー。

 七十数年前に日本軍と連合国軍は、西はニューギニアから東はフィジーまで、ソロモン海、珊瑚(さんご)海…

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金子秀敏

金子秀敏

毎日新聞客員編集委員

1948年、東京都生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。73年毎日新聞社に入社。横浜支局、政治部、北京支局、外信部副部長、香港支局長を経て、論説副委員長、論説室専門編集委員を歴任した。2014年から現職。中国や周辺各国の動向を日々チェックし、複雑な国際情勢のウラのウラを読む。