江戸時代以降、多くの豪商・財閥が誕生した。中でも巨大な財閥といえば、三菱財閥の岩崎家、住友財閥の住友家、三井財閥の三井家の3家であることは間違いない。今回は、江戸時代に日本一の豪商になった三井家を紹介する。
豪商が2~3代で没落する理由
江戸時代の豪商の多くは2~3代で没落した。理由は将軍家や大名家との結びつきだ。最も手っ取り早く豪商に成り上がる方法は、時の権力者と結びついて御用商人(政商)となることだった。しかし、三井家は政商としてではなく、庶民相手の商売で豪商となっていった。
まず、政商が没落しやすい理由を説明する。江戸時代も中期以降になると、各藩は殖産興業に力を入れ始めた。しかし、武士が直接商売をすることはなく、政商を選定して藩の貿易を一手に引き受けさせていた。政商になると、販売に専心するだけで莫大(ばくだい)な利益が上がった。政商は、その利益の一定の額や割合を藩に納めていた。
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