おサイフケータイに対応したR15プロ
おサイフケータイに対応したR15プロ

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中国スマホ「OPPO」おサイフケータイで日本攻略

石野純也 / ケータイジャーナリスト

 スマホ世界シェア4位の中国メーカーで、日本にも2月に上陸した「オッポ(OPPO)」が、第2弾の端末を発売する。新製品は「R15プロ」と「R15ネオ」の2機種で、どちらも日本市場の特徴にフィットさせたのが特徴だ。価格はR15プロが6万9880円、R15ネオが2万5880円からとなる。

 日本参入第1弾として2月に投入された「R11s」は、自撮りを軸にしたカメラ機能にこだわるオッポらしさが光る端末だった。一方で、海外モデルをほぼそのまま発売した形で、日本の利用者のニーズを完全に満たしているとは言えなかった。販路も狭かったため、販売面では苦戦を強いられていたようだ。

SIMフリー機のフェリカ対応は異例

 これに対し、R15プロ、R15ネオは、それぞれ技術面、価格面で、日本のニーズをくみ取った端末といえる。

 上位モデルのR15プロは、フェリカを搭載し、おサイフケータイでJR東日本のスイカや、楽天エディなどが利用できるようになる見込みだ。大手通信事業者から発売されるスマホは、多くがおサイフケータイに対応しているが、SIMフリーモデルとしてメーカーが独自に販売するスマホがこの機能を搭載するのは異例のこと。海外メーカーでは、台湾のHTCがSIMフリースマホにおサイフケータイを搭載した実績はあるが、オッポは大手通信事業者との付き合いがないなか、わずか半年でこれを実現した。

 同型のモデルは海外でも発売されているが、おサイフケータイは日本向けの独自仕様だ。R15プロは防水にも対応しており、この点でも日本の利用者向けといえる。日本市場で人気の高い機能、仕様を取り込むことで、販売に弾みをつけたいのと同時に、大手通信事業者に技術力をアピールする意図もあるという。

 現状ではSIMフリー市場で端末を販売するオッポだが、大手通信事業者とも協議を続けている。日本では、SIMフリースマホの市場規模が全体の2割程度と小さく、オッポは実績を作ることで大手通信事業者に提供する狙いがある。

技術力の高さを生かし日本市場にフィットする機種をいち早く開発
技術力の高さを生かし日本市場にフィットする機種をいち早く開発

ファーウェイは大手通信事業者にも納入

 同じ中国メーカーでは、ファーウェイがSIMフリー市場で人気を高め、その後、大手通信事業者に続々と端末が採用された経緯がある。夏モデルでは、最上位モデルの「P20プロ」をドコモが独占的に販売。ソフトバンクも、SIMフリースマホで販売されていた「メイト10プロ」を、自社モデルとして扱うようになった。オッポの端末が大手通信事業者に採用されるかは未知数だが、独自でおサイフケータイに対応したことで、アピールには成功したと見てよさそうだ。

 機能面で日本市場に寄り添ったR15プロに対し、R15ネオは価格で日本市場のボリュームゾーンを狙う端末だ。日本参入第1弾のR11sは、機能性が高い端末だったが、一方で価格も登場時は5万7980円と、SIMフリースマホの平均を大きく超えていた。

 大手通信事業者のように端末購入補助がつかないSIMフリースマホは、2万円から3万円台前半の端末が主流。この価格帯で、一般的なアプリがしっかり動き、カメラやデザインにもある程度こだわったコストパフォーマンスのいい端末が求められる。

R15ネオはSIMフリー市場で価格競争力を強めたモデル
R15ネオはSIMフリー市場で価格競争力を強めたモデル

「R15ネオ」は低価格で勝負

 このニーズに応えたのが、R15ネオだ。同モデルは二つのカメラで背景をぼかした撮影ができるほか、背面にはジュエリーをほうふつとさせる模様をつけ、価格以上の高級感を演出する。電池の容量も4230ミリアンペア時間と大きく、長時間利用できるのが特徴だ。

 一時記憶領域(メモリ)の容量が小さな3ギガバイトモデルは、2万5880円とSIMフリースマホで主流の価格帯。格安スマホ事業者を使い、通信料や端末代を安く抑えたい利用者には、うってつけの端末といえる。

 SIMフリースマホ市場では、ファーウェイのシェアが高く、台湾のエイスースがこれに続く。日本メーカーでは経営状況が回復したシャープが健闘しているが、上位メーカーの顔ぶれは固定化しつつある。ここにオッポが日本市場に特化した端末を出すことで、競争環境に新たな変化が生まれそうだ。

<「知ってトクするモバイルライフ」は毎週火曜日に掲載します>

石野純也

石野純也

ケータイジャーナリスト

1978年、静岡県生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒。2001年、宝島社に入社。当時急速に利用者数を伸ばしていた携帯電話関連のムック編集に携わる。05年には独立してフリーランスのジャーナリスト/ライターに転身。通信事業者、携帯電話メーカー、コンテンツプロバイダーなどを取材、幅広い媒体に原稿を執筆する。業界動向を記したビジネス書から、端末の解説書まで著書も多い。

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