政治・経済熊野英生の「けいざい新発見」

貿易戦争で米中が発動した「ドーピング政策」の悪夢

熊野英生 / 第一生命経済研究所 首席エコノミスト

 中国が、積極財政に転じるという。米中貿易戦争で、しばらくは関税率の引き上げ合戦を覚悟しなくてはいけないからだ。米国向けの輸出減の痛みに耐えるために、仕方なく過剰債務の整理には目をつぶって、不健全な企業を延命させる財政拡張に踏み切ることになる。これは危険な選択だ。

米国は先に減税して保護主義へ

 トランプ大統領は、鉄鋼・アルミニウムの関税率の引き上げに動く手前で、すでに大減税を2018年1月から実施している。保護貿易は、鉄鋼などから対中国向けの貿易、もしかすると今後は自動車・自動車部品へと広がるかもしれない。

 関税率を引き上げられた国は、当然報復関税を実施するから、米国ともども輸出入が減って景気が悪くなる。…

この記事は有料記事です。

残り876文字(全文1181文字)

熊野英生

熊野英生

第一生命経済研究所 首席エコノミスト

1967年山口県生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。90年、日本銀行入行。調査統計局などを経て、2000年、第一生命経済研究所入社。11年4月から現職。専門は金融政策、財政政策、金融市場、経済統計。

イチ押しコラム

藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」
国道4号沿いのサービスエリア「Alzu」はサイ、カバ、インパラなどが放し飼いにされている人気スポット(写真は筆者撮影)

ヨハネスブルク「絶対に歩いてはいけない」地区を縦断

 ◇南アフリカ編(7) レソト王国入国に失敗したにもかかわらず、懲りもせず今度は、エスワティニ(旧スワジランド)の国境近くまで走っ…

職場のトラブルどう防ぐ?
 

働き方改革のしわ寄せ?「収入半減」パート女性の嘆き

 A実さん(55)は、チェーン展開する自宅近くのクリーニング店で受付のパートとして働いています。昨年「働き方改革」への対応で店舗に…

メディア万華鏡
婚約が内定、記者会見される秋篠宮家の長女眞子さまと小室圭さん=東京都港区の赤坂東邸で2017年9月3日、代表撮影

「開かれた皇室」が生んだ?小室さんスキャンダル報道

 ガソリン、投下しちゃった。秋篠宮家の長女眞子さま(27)との婚約が延期となっている米国留学中の小室圭さん(27)が1月22日、母…

知ってトクするモバイルライフ
第2弾の100億円還元キャンペーンを発表するペイペイの中山一郎社長=東京都千代田区で、今村茜撮影

ペイペイ再び「100億円キャンペーン」は小粒に還元

 ソフトバンクとヤフーが合弁で設立したQRコード決済事業者のペイペイが、総額100億円キャンペーンの第2弾を2月12日から始める。…

ニッポン金融ウラの裏
 

変革の時代に「動かない」言い訳を探す銀行の勘違い

 銀行が変革の時代を迎えていることはいまさら言うまでもない。しかし、そのような言葉がマスコミをにぎわしている割には、銀行業界で実際…