
「世の中が変わった時に真実が明かせるようにこの映画を作りました」。304人の死者・行方不明者を出した2014年の韓国旅客船セウォル号沈没事故の原因を追ったドキュメンタリー映画「その日、その海」の上映会が8月18日に東京都内であり、プロデューサーのキム・オジュン氏はこう語った。
キム・ジヨン監督が船舶自動識別装置などのデータを集めて分析し、生存者の証言と重ね合わせることで、時の朴槿恵(パク・クネ)政権の発表との矛盾を指摘し、事故原因の仮説を提示した。1年以上かけてデータの分析方法を一から学んだり関係者を取材したりと、監督がジャーナリストとして心血を注いで完成させた。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が誕生した今も「世の中が変わった時」とキム・オジュン氏が言うのは「事故を隠したい人が官僚などで残っているから」だという。もう一つ、心に残るのは「製作エネルギーの半分以上をデータの維持・保安に注いだ」という言葉。ネットから遮断したサーバーを金庫に入れ、金庫を事務所の壁にはめ込んだ。監督を3年間家に帰らせず事務所に寝泊まりさせた。暴力を恐れたのだ。
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