藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

チリ・サンティアゴ 人口希薄の街と潤う鉱産・食輸出

藻谷浩介・地域エコノミスト
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夕方、サンティアゴ旧市街の中心商業地区は地元の人でごったがえしていた(写真は筆者撮影)
夕方、サンティアゴ旧市街の中心商業地区は地元の人でごったがえしていた(写真は筆者撮影)

 2017年3月。日本から30時間(経由地の宿泊も入れると40時間)かけてたどりついた南米はチリの首都サンティアゴ。泊まったバスターミナルの周辺は雑然としていたが、翌朝に地下鉄で1時間近く東に向かった先の新市街は、米国の諸都市以上に無機的で清潔な空間だった。夕方までの滞在で、この欧米とも豪州とも違う空気感の町の、全体像をつかむことはできるか?

 新市街のど真ん中には、スカイ・コスタネラという超高層ビルが建っていた。足元には、中央駅周辺では見かけなかった高級ショッピングモールがあり、ここだけ見ればよほどの金満国家のようである。しかし、アジアの諸都市にあるような雑踏むせかえる空間はなく、人の密度は米国の諸都市並みに薄い。やはりここは、人口希薄な新世界なのだ。

 周辺の住宅街の中に、いかにもおしゃれそうなレストランがあった。夕食は空港ラウンジで簡素にとる予定だったので、昼食にチリらしいものを食べておこう。白身魚のソテーにサラダを頼むと、アボカドとエビをあえたソースがたっぷり乗り、パンにサフランライスのようなものまでついてきて、すごいボリュームだった。チリワインの白とともにゆっくりといただく。

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。