政治・経済熊野英生の「けいざい新発見」

高齢者が「消費税10%」に反発する切実な理由とは

熊野英生 / 第一生命経済研究所 首席エコノミスト

 増税は誰でも嫌うが、特に高齢者は消費税率の引き上げへの反対が強い。2019年10月には、8%の税率を10%へと引き上げる予定である。それを財源にして、幼児教育無償化などを実施することになっており、10%への増税を安倍政権がさらに延期することはないだろう。半面、今度も高齢者からの反発が予想される。

物価が先に上がってから年金額に反映

 第1の理由は、年金の支給額が固定的であるからだ。消費税の引き上げや物価上昇によって、生活コストが増える一方で、年金の支給が増えないとすれば、実質所得減となる。

 14年は消費税率が5%から8%へと引き上げられた年である。14年度は、年金支給額は前年比0.7%下…

この記事は有料記事です。

残り1129文字(全文1425文字)

熊野英生

熊野英生

第一生命経済研究所 首席エコノミスト

1967年山口県生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。90年、日本銀行入行。調査統計局などを経て、2000年、第一生命経済研究所入社。11年4月から現職。専門は金融政策、財政政策、金融市場、経済統計。

イチ押しコラム

知ってトクするモバイルライフ
iPhone XS、XSマックスと同じく9月21日に発売されたアップルウオッチ「シリーズ4」

アップルウオッチ4「大画面で薄く進化」緊急通報も

 アップルウオッチの4世代目となる「シリーズ4」が9月21日、iPhone XS、XSマックスと同時に発売された。「シリーズ3」か…

職場のトラブルどう防ぐ?

パートの休憩問題で「労基署から指導」管理部長の窮地

 A雄さん(48)は、従業員数約230人の食品スーパーの管理部長です。ある店舗のパート従業員の休憩時間について労働基準監督署から是…

ニッポン金融ウラの裏
東京証券取引所=2015年5月8日、関口純撮影

日本の取引所の国際競争力が高まらないウラ事情

 わが国の資本市場をめぐっては解決が先送りされたままに置かれている課題が少なくない。そのひとつが証券取引所の「国際競争力」である。…

藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」
バルパライソ港を見下ろす丘の一つで、画家が絵を売っていた(写真は筆者撮影)

世界遺産バルパライソ 斜面に広がる明るい港町に感激

 ◇チリ・サンティアゴとバルパライソ編(3) 高校時代だっただろうか。何かの本で写真を見てから、いつか行きたいと思っていた。真っ青…

メディア万華鏡
韓国旅客船セウォル号の沈没事故を報じる2014年4月17日付の毎日新聞東京朝刊

日本で「モリカケ映画」は? 米韓映画人が見せる底力

 「世の中が変わった時に真実が明かせるようにこの映画を作りました」。304人の死者・行方不明者を出した2014年の韓国旅客船セウォ…