熊野英生の「けいざい新発見」

高齢者が「消費税10%」に反発する切実な理由とは

熊野英生・第一生命経済研究所 首席エコノミスト
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 増税は誰でも嫌うが、特に高齢者は消費税率の引き上げへの反対が強い。2019年10月には、8%の税率を10%へと引き上げる予定である。それを財源にして、幼児教育無償化などを実施することになっており、10%への増税を安倍政権がさらに延期することはないだろう。半面、今度も高齢者からの反発が予想される。

物価が先に上がってから年金額に反映

 第1の理由は、年金の支給額が固定的であるからだ。消費税の引き上げや物価上昇によって、生活コストが増える一方で、年金の支給が増えないとすれば、実質所得減となる。

 14年は消費税率が5%から8%へと引き上げられた年である。14年度は、年金支給額は前年比0.7%下…

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熊野英生

第一生命経済研究所 首席エコノミスト

1967年山口県生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。90年、日本銀行入行。調査統計局などを経て、2000年、第一生命経済研究所入社。11年4月から現職。専門は金融政策、財政政策、金融市場、経済統計。