シニア市場の正体

シニア世帯の玄関に「飲料や食品」があふれている事情

梅津順江・株式会社ハルメク 生きかた上手研究所所長
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 シニア世代は定年退職したり、子供が独立したりすることで、居住空間に求めることが変わります。とはいえ、例えば子供部屋は、物置や洗濯物の一時置き場になっているケースが大半です。さらに、ものであふれている押し入れは、手つかずのままというケースがほとんどです。

 では、シニア女性にとって、家の中で注目すべきスペースはどこでしょうか。それは、ダイニングと靴箱を含む玄関まわりの二つのスペースです。

 まず、ダイニングはシニア女性が普段からよくいる場所です。ダイニングテーブルの椅子に座って、食事、家事・雑務、趣味、うとうと昼寝など多くのことをしています。そのため、椅子に「骨盤をサポートするクッション」や「姿勢を整えるためのシート」などを置き、腰の負担を減らしているケースが多くあります。ダイニングで快適にすごすための工夫は常日ごろからしているといえます。

 そしてシニア女性が、生活の変わる節目に最初に手をつけるのが「玄関まわり」です。子供部屋や押し入れよりも先に、靴箱や玄関を整理整頓します。いつか履くだろうと残していたヒールの高いパンプス、子供が置いていった古靴、夫が毎日通勤に履いていた革靴を捨てることから始まります。

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梅津順江

株式会社ハルメク 生きかた上手研究所所長

大阪府生まれ。杏林大学社会心理学部卒業後、ジュジュ化粧品(現・小林製薬)入社。ジャパン・マーケティング・エージェンシーを経て、2016年3月から現職。主に50歳以上のシニア女性を対象にインタビューや取材、ワークショップを行っている。著書に、「この1冊ですべてわかる 心理マーケティングの基本」(日本実業出版社)などがある。