マンション・住宅最前線

「駅近で便利」だけでない22世紀のマンションの姿

櫻井幸雄・住宅ジャーナリスト
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 高級住宅地の代名詞「田園調布」の歴史は1918年、東急不動産ホールディングス(HD)の祖である田園都市株式会社が設立されたときから始まる。今から、ちょうど100年前だ。そのとき、田園調布駅はまだなかった。線路と駅ができる前から住宅地の開発が始まったのである。

私鉄が生み出した「近代の住宅地」

 実は、近代の住宅地は私鉄の開業と共に生まれている。田園調布だけでなく、阪急電鉄の芦屋も小田急電鉄の成城学園前も電鉄会社が線路を引くのにあわせて住宅地づくりを始めた。「単に電車を通すだけでなく、駅周辺に住宅地をつくり、便利な暮らしを実現しよう」という発想は、以後、住宅開発の基本姿勢となった。

 おかげで「駅近で便利な住宅は価値が高く、駅まで遠い住宅は価値が低い」という価値観が生まれてしまった…

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櫻井幸雄

住宅ジャーナリスト

1954年生まれ。年間200物件以上の物件取材を行い、首都圏だけでなく全国の住宅事情に精通する。現場取材に裏打ちされた正確な市況分析、わかりやすい解説、文章のおもしろさで定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞、日刊ゲンダイで連載コラムを持ち、週刊ダイヤモンドでも定期的に住宅記事を執筆。テレビ出演も多い。近著は「不動産の法則」(ダイヤモンド社)。