藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

世界遺産バルパライソ 斜面に広がる明るい港町に感激

藻谷浩介・地域エコノミスト
  • 文字
  • 印刷
バルパライソ港を見下ろす丘の一つで、画家が絵を売っていた(写真は筆者撮影)
バルパライソ港を見下ろす丘の一つで、画家が絵を売っていた(写真は筆者撮影)

 高校時代だっただろうか。何かの本で写真を見てから、いつか行きたいと思っていた。真っ青な太平洋に向かう丘を、埋め尽くすカラフルな家並み。斜面を上下する素朴な造りのアセンソール(屋外エレベーター)。「バルパライソ=天国の谷」という名前にふさわしい、明るい異国情緒に満ちたこの港町に、ようやく足を運ぶ機会が訪れた。

 きっかけは、当連載「ボリビア・ラパス編(1)」(2017年5月15日) に書いたように、サンティアゴからブエノスアイレスに向けて夕方に乗るつもりだったアルゼンチン航空の予約が無効で、予定が崩壊したことだった。

 サンティアゴのアラメダバスターミナル横に、昨晩の宿よりはもう少し小奇麗なイビスホテル(仏発祥の世界チェーン)があったのを思い出し、アルゼンチン航空のオフィスでWi-Fiを借りて予約。空港バスで戻り、ホテルの部屋で計画を練り直す。翌々日からボリビアのラパスに1泊2日で出向くこととしたが、翌日はどうするか。これはバルパライソまでバスで往復する絶好のチャンスだ、と気付いた。

この記事は有料記事です。

残り2538文字(全文2984文字)

藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。